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今回は「空調設備士」についてご紹介いたします。


空調設備士と聞くと空調などのスペシャリストというイメージがあるかと思いますが、実は将来のステップアップにも重要な役割を果たす資格です。

本記事では空調設備士の概要やメリットだけでなく、将来にどう役立つのか、合格率や出題傾向など気になる情報をまとめてご紹介いたしますので、ぜひご覧ください♪

空調設備士の概要

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1. 空調設備士とは

空調設備士は、空気調和・衛生工学会が実施する設備士資格検定試験に合格した者に与えられる称号です。この資格は、暖冷房・換気、給水・排水、衛生設備に特化していて、空調および給排水衛生設備に関わる技術者の基礎的・専門的な技術・知識の習得度を判定するためのものです。合格者は、2年の実務経験を通じて国家資格である建築設備士の受験資格を得ることができます​​​​​​。

2. 国家資格か民間資格か

空調設備士は民間資格に分類されます。この資格は、公益社団法人空気調和・衛生工学会によって管理・運営されているため、国家が直接関与する国家資格とは異なります​​。

3. 資格の歴史

空調設備士の試験は昭和31年(1956年)から開始され、以来毎年1回実施されています。長い歴史を持ち、空調設備に関する専門知識と技術を持つ人材を育成することを目的としています。累計41,000名以上の合格者がおり、建築設備に関する専門性を持つ技術者としての地位を確立しています

空調設備士取得のメリット

空調設備士資格を取得することで、空調設備やエネルギー管理技術者などへの道がひらけるのが最もわかりやすいメリットですが、それ以外にも建築設備士への受験資格で求められる学歴や実務経験年数が免除・減少されるというメリットもあります。学歴が不要になるという点が大事という方もいらっしゃるかもしれません。

空調設備士を取得することで、幾つかの仕事で有利になりますが、さらなるステップアップとして建築設備士を狙っている方にとっても重要な資格といえそうです。

空調設備士が活かせる職種

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空調設備士の資格を取得することで、様々な職種で活躍することができます。以下に、空調設備士が活かせる主な職種をご紹介します。

  • 空調設備の設計・施工・点検・保守
  • エネルギー管理技術者
  • 空調コンサルタント
  • エネルギー管理士
  • 建築設備士

これらの職種では、空調設備士の知識やスキルが求められます。空調設備の設計や施工に携わることで、快適な環境を実現するための技術を身につけることができます。また、エネルギー管理技術者や空調コンサルタントとして、省エネや環境に配慮した設備の導入や運営管理に携わることも可能です。さらに、建築設備士として、建物の設備全般に関わる仕事をすることもできます。

空調設備士の資格は、さまざまな職種で活躍するための基盤となります。自分の得意な分野や興味のある分野で活躍することができるので、将来のキャリアの選択肢が広がります。

空調設備士の受験・費用について

空調設備士の受験に関する情報(受験資格、試験内容、受験料)などをまとめまてみました。

受験資格

  • 大学の理科系課程卒業者: 実務経験不要
  • 短大・高専の理科系課程卒業者: 1年以上の実務経験
  • 高校の理科・工業課程卒業者: 4年以上の実務経験
  • 高校の建築設備課程卒業者: 3年以上の実務経験
  • 18歳以上で上記以外: 7年の実務経験
  • 設備士資格検定委員会で認定された人: 委員会で認定された実務経験年数
  • 職業能力開発総合大学の長期課程(4年制)卒業者: 実務経験不要
  • 職業能力開発大学校、職業能力開発短期大学校の専門課程卒業者: 1年以上の実務経験

試験内容

  • 試験は空調部門と衛生部門の2つに分かれている
  • 問題数は合計50問、全てマークシート方式
  • 試験時間は合計3時間20分(1問あたり約4分)

試験概要

  • 願書申込期間: 7~8月
  • 試験日: 11月
  • 合格発表: 2月
  • 受験地: 札幌、仙台、新潟、東京、大阪、名古屋、広島、福岡、那覇
  • 受験料: 9,900円(1部門ごと)

※2023年11月21日時点での情報となるため、詳細は該当サイトをご覧ください

学歴に応じて必要な実務経験年数に差が出るため、しっかりとご確認ください。また、受験のチャンスは年に1回と機会は少ないので、十分に準備されてから受験されてください。

その他の詳細については、公益社団法人 空調調和・衛生工学会HPをご覧ください。
公益社団法人 空調調和・衛生工学会HP:http://www.shasej.org/setsubishiweb/setubishi.html

空調設備士の合格率と出題傾向について

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空調設備士試験の合格率と出題傾向について調べてみました。空調設備士試験は空調部門と衛生部門に分かれていているので、別々に記載してみました。

合格率

  • 空調部門:
    • 平成28年:33%
    • 平成29年:30%
    • 平成30年:31.4%
    • 令和元年:28.8%
  • 衛生部門:
    • 平成28年:31%
    • 平成29年:29%
    • 平成30年:29.7%
    • 令和元年:29.4% 合格率は全体的に30%前後となっており、比較的難易度の高い資格と言えます​​。

出題傾向

  • 空調部門
    • 環境・伝熱、室内の温熱環境・空気環境基準、汚染物質・室内空気汚染、伝熱・断熱、結露
    • 空気と湿り空気線図
    • 空調負荷と送風量、熱負荷計算、送風温度と蒸気加湿量計算
    • 配管とポンプ、流体の定理と公式、配管方式の特徴
    • ダクトと送風機、各種吹出口の特徴・気流分布、ダクト施工、ダクト内の静圧・動圧、風速と圧力損失、各種ダンパの特徴
    • 機器、冷凍機の特徴、ボイラ、冷却塔と冷却水
    • 騒音と振動、音の基礎と騒音、ダクト系の消音、防振・耐震・免震
    • 施工と維持管理、SHASE-Sから機器据付、耐震施工、ネットワーク工程、建築基準法上の各種設備基準、配管材料と弁類などの付属品​​。
  • 衛生部門
    • 給水設備、SHASE-S206(給水設備)関連、水質基準、受水槽容量・水道引込管径・高置水槽容量の算定、負荷流量の算定
    • 給湯設備、SHASE-S010(給湯設備)関連、給湯温度と使用温度、レジオネラ対策、各種計算
    • 排水設備、SHASE-S206(排水通気設備)関連、間接排水と排水口空間、排水槽と排水ポンプ、排水管・通気管の必要管径の算定
    • 消火設備、各種消防設備の消火原理、設置基準・技術基準、屋内消火設備の各種計算、スプリンクラー設備の各種計算、泡消火設備の各種計算、不燃性ガス消火設

空調部門も衛生部門も合格率が30%前後ということで、比較的難易度の高い資格です。

まとめ

今回は空調設備士についてまとめてみましたが、如何でしたでしょうか。

やはり、建築設備士に繋がる道の一つになるというのが大きな魅力ですね!
受験される方は、受験資格が学歴や実務経験によって変わるわかりづらい部分はあるので、十分に調べてからチャレンジされてみてください。

また、将来的な道の一つである建築設備士については以下の記事にまとめてあるので、気になった方はぜひこちらもご覧ください。

ぜひ、ご紹介した資格情報を参考に、資格の取得を目指してみてください!

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