
衛生管理者、衛生士、食品衛生管理者など、”衛生”というキーワードには似たような資格が幾つか存在していて、普段関わりが無い私たちにとっては「何が違うの?」とよくわからない部分がありますよね笑
そこで、今回は「衛生管理者」に注目して、どんなお仕事なのか、衛生士や食品衛生管理者とはどう違うのか?についてまとめてみました!
また、衛生管理者には第一種と第二種があるのですが、これらの違いについてもまとめています。
「衛生管理者ってどんな資格?」「資格を目指す価値はありそう?」などなど、参考となる情報を掲載していますので、ぜひご覧ください。
Contents
衛生管理者の概要

衛生管理者は、労働安全衛生法に基づいて定められた衛生に関する資格です。主に労働環境の衛生的改善や疾病の予防処置を担当し、事業場の衛生全般の管理を行う専門家としての役割を持ちます。
国家資格か民間資格か?
この資格は、労働安全衛生法に基づく国家資格に分類されます。資格を取得することで、働く人々の健康障害を防止する重要な役割を果たすことが可能になります。
第一種と第二種に別れていて、違いとして第一種は有害業務(放射線、化学物質など労働者の健康に影響を与える業務)を扱うことができます。もちろん、試験内容にも有害業務に関連した内容が出題されるので、難易度は第二種よりも高いとされています。
資格が持つ歴史
衛生管理者制度は、事業場における衛生管理が医師だけでは困難であることから、1947年の労働基準法と旧労働安全衛生規則に基づいて日本独自の制度として発足しました。1966年には労働安全衛生規則の改正が行われ、衛生工学衛生管理者が創設されたことも重要な歴史的経緯です。衛生管理者は、伝染病の流行や職業性疾患への対応、特殊健康診断の実施など、時代の変遷に伴い規定が何度も改定されてきました。
主な職務内容
衛生管理者の主な職務には、以下のようなものがあります:
このように、衛生管理者は労働環境の衛生管理と労働者の健康保護において重要な役割を担う専門家です。
衛生管理者が活かせる職種

さて、このように労働環境などの衛生に関わる衛生管理士ですが、実際にはどのようなお仕事で活躍できるのか?
衛生管理士が活躍できる職場を簡単にまとめてみましたので、ご覧ください。
- 製造業の工場:製造現場における労働者の安全と健康を守るための衛生管理。
- 建設業の現場:建設作業における労働環境の衛生管理、事故防止策の実施。
- 医療機関:病院やクリニックなどで、職員の労働環境や患者の環境衛生の管理。
- 学校・教育機関:学校などの教育施設における衛生環境の管理、健康教育の推進。
- 大規模なオフィスビルや商業施設:職場の衛生環境の改善や従業員の健康管理、施設内の衛生状態の監視。
似たような資格で食品衛生管理者と衛生士という資格がありますが、それぞれ別々の役割を担う資格となります。
例えば飲食店では、食品の衛生管理の責任者として食品衛生管理者の設置が義務付けられていますが、衛生管理者ではその役割は担いません。
衛生管理者の場合は、労働安全衛生法に基づき、特定の工場や建設現場などの職場における労働者の安全と健康を守るための管理を担っています。そのため、衛生管理者は職場の衛生環境の改善、健康障害の予防、応急処置などを行うのが主な職務となります。
また、勤務先の候補は工場や建設現場、学校等となります。これらの職場では衛生管理に衛生管理者の資格が必須なわけではありませんが、資格を持っていることで就職や転職がしやすくなるかと思います。
衛生管理者の受験・費用について

次に衛生管理者の受験に関する情報をまとめてみました。
受験資格
第一種、第二種ともに特に制限はありませんが、必要書類を揃える必要があります。
必要な書類
申し込み方法
出願書類が揃ったら、地区の安全衛生技術センターに簡易書留で郵送するか、直接提出します。
試験手数料は払込用紙で振り込みます。
試験の流れ
試験会場
全国7ヶ所の安全衛生技術センターで受験可能です。試験日程はセンターと月によって異なります。
試験内容
合格条件は科目ごとに40%以上、総得点で60%以上です。試験時間は3時間です。
合格発表
試験日から7日程度で結果が郵送されます。合格者には免許試験合格通知書が届きます。
免許申請
合格後、都道府県労働局または労働基準監督署で免許申請を行います。申請書は厚生労働省のHPからダウンロード可能で、郵送での申請も可能です。
※2023年12月12日時点での情報となるため、詳細は該当サイトをご覧ください
その他の詳細については、公益財団法人 安全衛生技術試験協会の公式サイトをご覧ください。
公益財団法人 安全衛生技術試験協会:https://www.exam.or.jp/exmn/H_shikaku502.htm
衛生管理者の合格率と出題傾向について
今回も衛生管理者の合格率や出題傾向についてまとめてみました。
合格率:
出題傾向:
- 2023年の第一種衛生管理者試験では、関係法令、労働衛生、労働生理などが出題され、具体的な例としては、安全衛生管理体制、有害業務に関する問題、作業環境測定、健康診断通知義務、心の健康の保持増進などがありました。
- 2023年の第二種衛生管理者試験では、同様に関係法令、労働衛生、労働生理に関する問題が出題され、安全衛生管理体制、事業場の建物・施設等に関する措置、労働衛生の3管理、虚血性心疾患などが含まれていました。
ワンポイント:
- 試験では例年の難易度を維持しており、過去問からの出題や簡単な問題が多いですが、過去問のみの勉強では不十分であることが指摘されています。
- 衛生管理者試験では過去問の類似問題が多く出題されるため、過去5年分(10回分)の過去問の繰り返し学習が推奨されています。
もし、学習方法や知識の習得に不安を感じるのであれば専用の講座を受講するというのもオススメです♪
今はオンライン講座でスマホやPCを使って自宅で受講するという手もあるので、ご自身の学習スタイルに合うやり方を探してみてください、
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まとめ
今回は衛生管理者についてまとめてみましたが、如何でしたでしょうか。
第一種と第二種では、出題範囲は増えるもののそこまで合格率に差がないことから、最初から第一種を受験される方もいらっしゃるみたいです。とりあえず、お仕事や知識の幅を広げたいだけなのか、特定の目的をお持ちなのかで変わる部分かと思いますので、ご自身の状況と照らし合わせてご検討ください。
ぜひ、ご紹介した資格情報を参考に、資格の取得を目指してみてください!
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